torrent ベースの P2P DNS システム Dot-P2P

違法配信や偽造品販売などに関係する82個のドメインを押収したと米国移民関税局が発表した.その中に torrent の検索サイト Torrent-Finder が含まれていたようだ.このサイトは違法配信されているファイルへの torrent を公開しているわけではなく,各 torrent 配布サイトからの検索結果へリダイレクトするだけのサイトであった.これは明らかにバランスがおかしく不当であるという見方がある

全ての DNS ルートサーバは米国商務省傘下にある ICANN によって中央集権的に管理されているのだが(運用は別),米国政府の意向により不当にドメインを押収される可能性がついに実証されてしまった.これはオープンなインターネットに対する脅威として捉えられている.米国では COICA(オンライン権利侵犯偽造防止法)が DNS に干渉すると言われており,他にも中国やイランでは国内で DNS レベルでの検閲が行われている.

こうした国家によるドメインへの不当な干渉に対する抵抗策として,独自のルートサーバを提供するオルタネートルートなどがあるが,BitTorrent ベースの P2PDNS プロジェクト,Dot-P2P が始動したようだ.

Dot-P2P は .p2p TLD へのリクエストをローカルホストのキャッシュサーバにリダイレクトして,暗号化された BitTorrent トラフィックに載せて名前を解決するシステムを構築するプロジェクトである.これにより ICANNISPDNS に依存しない完全分散型の DNS システムが構築でき,検閲や干渉を受けないというわけである.

完全分散型 DNS 疑問に思う点がいくつかある.まずドメインの管理であるが,これは OpenNIC が行うようである.次にドメインの登録方法であるが,これは議論中とのこと.ドメインの登録自体は無料であるが,同様のドメインを取得していることを証明する必要がある.

開発はものすごいペースで進んでおり,クライアントベータ版がもうすぐ出るとのこと.

http://www.networkworld.com/news/2010/120210-pirate-dns-could-hatch-a.html
スウェーデンで有罪になったPirate BayのPeter SundeがDNSの改革に一石 | TechCrunch Japan
dot-p2p.org - このウェブサイトは販売用です! -&nbspdot-p2p リソースおよび情報
米国による横暴なドメイン乗っ取りに対抗し、BitTorrentベースのDNS構築の動き - スポンサー広告ネットと著作権 COICA
http://www.networkworld.com/news/2010/113010-p2p-based-alternative-to-dns-hopes.html