iPhoneでFlash動画が見られるブラウザSkyfire

先日 AkamaiiPhone/iPad 用にエッジサーバで動画の変換と最適化を行うサービスを開始したと紹介したが,今度は iPhoneFlash 動画を再生できるブラウザ skyfire_2.0App Store で承認されたようだ.

仕組みは,ブラウザがあるページの Flash 動画を見つけると,その動画を Skyfire のサーバでダウンロードし,HTML5 用の動画形式(H.264?)に変換する.ブラウザは HTML5 に変換された動画とページを Skyfire のサーバから読み込むことで Flash の動画だったものを観ることができる.さらに回線状況やプロセッサの性能に応じて動画の変換が最適化されるようである.

観ることができるのは動画だけであって Flash の UI やゲームはもちろん動かすことができない.また,一部の有料動画サイトでは Skyfire を弾いているようである.

クライアント数とサーバの処理能力が比例するシステムのため,現在は「売り切れ」となっている.

コメント

Akamai のソリューションがコンテンツプロバイダ側のものであったのに対し,このブラウザはクライアント,ユーザ側のソリューションとなる.両側からこうしたプロバイダとユーザの両側からこうしたソリューションが出てくるのは望ましい傾向だと思う.

Skyfire は自サービスのサーバで動画をダウンロードし,それをユーザに配信しているが,これが日本では著作権法に抵触する恐れがあると指摘する人もいるようだ.実際どうなのか教えて偉い人.

NTT東西が2025年までに固定電話網のIP化を完了へ

NTT東西がコアネットワークの PSTN(固定電話網)を2025年までにすべてIP化すると発表した

ISDN 廃止のニュースが廻っているが,そもそも ISDN が記憶にない世代で,固定電話も子供の頃に使ったなぁって感じなので動向を詳しめにメモしてみる.

NTT としては PSTN の IP 化だけではなく,メタルから光,旧 IP 網から NGN への移行を含めたコアネットワークの移行を計画しているようである.

世界的に見て PSTN の需要が減って IP 電話の需要が高まっている.アメリカ,ドイツ,フランス,イギリス,韓国など先進各国の中で,日本は光回線の世帯カバー率,世帯普及率,契約数,通信速度,帯域当たり単価の低さのほとんどで1位を誇っている.2010年での FTTH の世帯カバー率は 90+% である.そのためか他国に比べて IP 電話への移行のペースは速いようである.

固定電話加入者は2009年で約4300万人.ここ数年毎年 400万人ずつのペースで減っている.IP 電話加入者は約1500万人で毎年 350万人のペースで増えていっている.このペースでは単純計算で2012年頃には逆転する見通しである.もちろん固定電話から移行できないユーザが一定数いるので加入者数は0にはならない.

NGN は2008年に開始して,この2010年の末にはフレッツ光のカバーエリアを全てカバーする予定.

PSTN の IP 化に伴い,利用者の減少しているサービスは廃止されるとのこと.2010年 3月末時点で 509万2000回線の契約がある INS ネットも廃止される見込み.代替サービスとしてフレッツ光ネクストひかり電話のサービス案が掲げられている.

他事業者との電話の接続は,現在は IP 電話同士であっても PSTN 間の電話網接続を経由して行われていたが,IP 化後は IP 電話 (NGN) 網間の接続で行うことができるようになるとのこと.ここは調整や標準化が必要とされている.また番号ポータビリティに関しては他事業者の番号を NTT へ持ち込むことはできなかったが,これも IP 化を期に可能にするようである.

PSTN から IP への移行は2020年から本格的に始まる予定.

/. の Anonymous Coward 曰く,IP 化後もメタル回線の提供は行われるようで,メタル回線では局給電も維持されるとのこと.技術的には「単に中継網をSS7からSiPに、ATMからIP上のrdp、音声codecを無圧縮PCMG.711にするだけ」と.